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【教えて!】田原さん、金融機関はパンクしてる? 融資は受けられるの?

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【教えて!】田原さん、金融機関はパンクしてる?
融資は受けられるの?
融資を受けて危機を脱したい、新たなビジネスにつなげたい。数ある制度をどう理解して、準備すればうまく進められるのか。識者に裏側を聞く【教えて!】シリーズ第三弾は、コロナ関連だけでも既に300件以上の融資支援を行う株式会社SoLaboの代表・田原広一さんにお話をうかがいました。

【プロフィール】田原広一(たはらこういち)
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、2011年より個人で融資サポート業務をスタート。2015年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。融資支援業務に力を注ぎ、現在では2400件以上の融資支援を行っている。コロナ融資の支援実績も300件以上に上る。

借りやすいのは公庫


ーー今日は融資についていろいろお聞きしたいのですが、その前に金融機関は今どうなってるのか。やはり忙しんでしょうか。

そうですね。例えば日本政策金融公庫(以下、公庫)は、地域や支店によって差はありますが、コロナ以前から案件の多かった関東などは、4月は通常の5〜10倍ほどの案件をさばいているような状態でした。

しかも、緊急事態宣言が出されてからは、人が殺到する感染リスクとそもそも対面の相談に時間をかけると大量の案件を処理できないため、窓口での相談が受けられず基本は郵送対応になりました。

ーー作業がなかなか追いつかない状況なんですね。

流れとしては、必要書類を準備して送ると、公庫のほうで登録作業が行われ、担当者がつきます。それまでに約1カ月。その間は、基本的には何も連絡はありません。書類が届いたかどうか、不安になるレベルですよね。

ただ、今は徐々に落ち着き始めているかな、という印象です。緊急事態宣言が解除されたので、窓口での相談もしやすくなってるかもしれません。少しずつ作業が追いついてきているんじゃないでしょうか。

それでも、もちろん普段より忙しいことに変わりはありません。少なくとも今は、ある程度時間がかかることを覚悟して、まずはとにかく書類を送る。これが大事だと思いますね。

ーーでは実際に借りようと思ったときに、コロナ融資は制度が複数ありとまどう方も多いと聞きます。まずどこから理解すればいいでしょうか?

借りられる可能性があるのは、政府系金融機関か民間金融機関。まずはここが最初の分かれ目になります。

政府系は、公庫と商工中金の特別貸付です。公庫は中小零細やスタートアップ向け、商工中金は年商1億以上の規模が大きい会社向け。年商が数百万、数千万円程度なら、基本的には公庫からしか借りるチャンスはないと考えてください。

民間は、信用保証協会を経由して、銀行や信用金庫からお金を借りる仕組みになっています。

ーー「貸付が初めて」という会社は、まずどうしたらいいでしょうか?

一番借りやすいのは公庫ですね。公庫の判断だけで審査は終了します。一方、民間金融機関は信用保証協会を経由するので、金融機関と保証協会の両方のチェックがあり、手順が多いんです。

しかも今回は、政府も条件に合致していれば積極的に貸す方針を表明しています。コロナ以前は健全な経営をしていた会社には、ほぼすべて貸し出してると思いますね。

ーー「健全な経営」とは、具体的に…?

まずは、公庫なら確定申告書や決算書を2年分、民間金融機関なら3年分をちゃんと出していることが前提となります。

そのうえで、コロナ前から赤字や債務超過が続いているようなことがないことが基本となります。あくまでコロナが理由で業績が悪化した企業を助けるのが基本の考え方なので。

もちろん、赤字の理由が「役員報酬が高すぎるから」とか「減価償却があるから」とか、コスト改善の見込みがあるようなら通るケースもあると思いますが。

また、社保や税金の滞納が続いているとか、事業主もしくは経営者の信用情報に傷がついているとかも不健全の信号です。「返済できないんじゃないか」と見られてしまうので。

こうした問題がなく、しっかり確定申告書などを出している。そのうえで、コロナの影響で売上が5%以上減っていれば、ほぼ借りられると考えていいでしょう。

中小零細は、地銀や信金が相性よし


ーーまずは公庫の検討をすべきということですが、並行して民間にも申請を出すべきでしょうか?

現状、公庫の審査にはどうしても時間がかかる傾向にあるので、民間金融機関からの借入も並行して進めることをオススメします。

民間からの借入は、「信用保証協会」を経由して行います。これは、金融機関から借り入れをする際に、国などが支援する公的機関が間に入って保証してくれる仕組みです。

仮に事業者が返済困難になっても信用保証協会が代わりに返済を行うので、金融機関にとっては返済されないリスクが減って積極的に貸し出すことができるんです。


(信用保証協会付き融資の仕組み。SoLabo提供)

今回のコロナ融資では、売上の減少幅に応じて保証率の異なるセーフティネット保証4号・5号、それに危機関連保証を使うことができます。

融資を受けるには、まず役所で4号や5号の認定書をもらう。そのあと、民間金融機関に打診する流れになります。

ーー民間金融機関といっても、いろいろありますよね?

借入実績がないのにいきなりメガバンクからスタートするのは、よほど優良な会社でない限り難しいでしょう。それと、大きな金融機関であればあるほど、少額の融資は厳しくなります。

少額の案件や中小零細企業は、地銀や信用金庫、信用組合が比較的進めやすいと思います。規模の小さいところのほうが、借りやすいと言われているので。

金額はあくまで一般論になりますが、地銀なら1000万以上が1つの目安になります。ただ、規模の大きい地銀は3000万円、一方で地域密着系の地銀なら300〜500万円でも貸してくれるケースがありますね。

もっと少額の場合は、信用金庫や信用組合がオススメです。100万円くらいからでも借りられる場合があると思います。

ーー中小零細は、地銀や信用金庫がオススメなんですね。

民間金融機関からの借り入れも勧めるのは、借りた実績があると、将来的に追加融資を受けやすくなる可能性が高いからです。

しかも、今回は金利が実質ゼロの期間が3年あるので、このチャンスに借りておいて、使わなかったら微々たる利息を払えばいいだけ。利息は「掛け捨て保険」くらいに考えていただくのがいいかなと。

いずれにしろ今回のコロナ融資に関しては、政府系も民間も「基本的には通しますよ」という方針なので、どちらも非常に借りやすい状況になっています。

目安は月商の3〜6カ月。利子は3年間実質ゼロ


ーーでは、次のステップです。書類などを準備する段階で、注意すべきことや落とし穴があれば教えていただきたいのですが。

よく相談が来るのは、上限いっぱいに申請して却下されるケースです。例えば、年商2400万円ほどの会社が、実質無金利期間の上限額である3000万円(当時)を申し込んだんですが、結果はゼロでした。年商を上回るような過大な金額を申し込むのは避けるべきです。

ーーとなると、どれくらいの金額をイメージすればいいでしょうか?

目安は、月商の3〜6カ月です。年間の売上を超える金額はほぼ借りられません。コロナ融資は300件以上お手伝いしてますが、ほとんどが月商の3〜6カ月の間で収まるケースが多いです。

ーー事業計画はそれほど入念にチェックされることはないんでしょうか?

正直、ほぼされないでしょう。例えば飲食店なら、固定費の半年分くらいは持っておきたい。そんな使い方で十分だと思います。運転資金ならOKなので、もう少し借りたいなら、固定費プラスαでデリバリーや通販にトライしたい。そんなイメージで大丈夫です。

NGなのは、「新店を出したい」とかですかね。あくまでコロナ時代を生き延びるための融資制度なので、なぜそんなときに新店を出してリスクを取るのか。返済できないリスクがあると判断される可能性があります。

ーー「実質ゼロ金利」についてですが、それって本当なんですか?「実質」という言葉がミソにも見えますが…

これは、「利子を一部返金しますよ」という考え方なんです。公庫では、最初の3年間は金利が0.46%、4年目以降は1.36%になってますが、借主はいったん、公庫に金利を支払う必要があります。

そのうえで、事務局の中小企業基盤整備機構に申請手続きをすると、3年間は0.46%の利子が戻ってくるという仕組みです。それで3年間は金利が実質ゼロになる、というわけです。ただ、現時点で申請手続きの詳しい手順については公表されていません。


(「実質ゼロ金利」の仕組み。中小企業基盤整備機構の資料より抜粋)

ーーまずは支払って、後から戻ってくる、ということですね。

ただ、実は事業規模や売上の減少率など細かい要件があるので、詳しくは日本政策金融公庫中小企業基盤整備機構のホームページなどをチェックしてみてください。

一方で、民間金融機関の場合は勝手にそれが補填されていることになります。民間も実質無利子期間は3年間ですが、据置などがあれば利息を払わなくていいわけです。そこが公庫との違いですね。金融機関から請求も来ませんので、「もらった」という感覚になる人もいるんじゃないでしょうか。

民間のケースは、セーフティネット保証4号だと売上20%以上のダウンが認定要件になっています。そこですでに基準を超えているという判断で、事実上セットになっているというか、そういうイメージですね。

融資を「チャレンジ資金」に


ーー「コロナ融資はチャンスと考えるべき」と、ご自身が配信されているYouTube動画で指摘されています。なぜ、「チャンス」なのでしょうか?

このコロナ融資は、条件にさえ合致すれば、通常では借りにくい人でも借りられます。しかも実質ゼロ金利、さらに据置期間(元金の返済が発生せず、利子のみ支払う期間)も長く設定できる。

借りやすいときに借りておいて、最悪使わなければ、利息以外払う必要はないわけですから。そういう意味で、リスクが非常に低いんです。

カードローンやビジネスローン、キャッシング、ファクタリングはとにかく金利が高い。コロナの第2波も心配ですし、それ以外にもいろんなリスクが考えられます。

今はなんとか耐えられる、と考えている人も多いと思いますが、いざというときにカードローンやファクタリングなどに頼らなきゃいけない事態は避けるべきです。

変な話ですが、今ならカードローンで100万円借りるのと、公庫などで3000万円や5000万円借りるのとでは、それほど金利は変わらないと思います。

不安定な経済状況の中で、資金に余裕を持たせておくことは、危機を生き延びるために大切です。手元キャッシュが多くあれば、心理的にも安心と余裕が生まれます。

それに、融資を受けると信用力が上がって、いい話が舞い込んでくる。仕事にプラスにつながる可能性も高まると思うんです。

ーー手元キャッシュがあると、ビジネスチャンスにつながると。

例えば飲食店ですと、今は廃業するケースが増えてますから、好立地に居抜き物件がどんどん出てくる可能性があります。

出店するかどうかは経営判断ですが、そういうチャンスのときに投資できる預金が手元にあれば、少なくとも「選べる」わけですよね。

「物件が出てから借りればいい」という人もいますが、そんなにすぐには借りられないですよ。チャンスが来たときにすぐ動くための「チャレンジ資金」のようなものとして、手元にキャッシュがあると強いと思います。

ーーこれを機に「攻めたい」と考えているような会社も多いでしょうからね。

仮に手元にキャッシュが1000万円あれば、そのうち300万円をどうやって使ったらうまくいくか。そうやって次の一手を考えるようになるじゃないですか。

キャッシュが潤沢じゃないと、なかなかそうは考えられないと思うんです。つまり、視座が一段上がるような感覚が生まれるんですよね。

何が起きるかわからないこのご時世、何もしないことは衰退だと思います。融資を使って新しいことにチャレンジして、プラスαをどんどん生み出していく。そうすれば、ビジネスは拡大していくんじゃないでしょうか。


▼さらに詳しく知りたい人は下記URLをご覧ください。

コロナ融資はチャンスととらえるべき?日本政策金融公庫やセーフティネット枠を利用?
https://www.youtube.com/watch?v=Qo8vb_EQeLU

金利0%??日本政策金融公庫で金利0%になる要件とは?
https://www.youtube.com/watch?v=8ZuhHkY_aB4

個人事業主が融資受けやすい金融機関はどこ?
https://www.youtube.com/watch?v=VLet2lsPUg8&t

コロナ融資で融資受けにくい人の話
https://www.youtube.com/watch?v=C-dgjRoMRpo&t=8s

借りるべきかを悩んでいる方に見てほしい動画
https://www.youtube.com/watch?v=kI33Is-zlH4

民間金融機関で融資を受けるならどの制度を利用できるか
https://www.youtube.com/watch?v=ihxV4hbGYvs&t=20s

実質無金利の額の変更になった最新情報
https://www.youtube.com/watch?v=J7oKWZqHoZo&t=201s

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