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テイクアウトで挽回、デリバリーや通販も。 住宅地にある小さな飲食店の奮闘記

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テイクアウトで挽回、デリバリーや通販も。
住宅地にある小さな飲食店の奮闘記
自家製ハンバーグに、野菜たっぷりのパスタ、オリジナルソースのかかったオムライス。福岡市の飲食店「串Cafeたまねぎ 創作串揚げ」のメイン料理は、もちろん自慢の串揚げです。ただ、テイクアウト営業に切り替えてからは新メニューを次々と開発。5月の売上は、テイクアウトのみで前年に迫る勢いだといいます。窮地への向き合い方を、オーナー兼店長の高島正幸さんにお聞きしました。

活用した支援制度

  • 経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)
  • セーフティネット保証制度4号
  • 小規模事業者持続化補助金
  • 福岡市家賃支援金(申請予定)

テイクアウトのみで、前年に迫る売上予想


ーー全国各地で飲食店が悲鳴を上げています。お店の状況はいかがでしょうか?

売上が減り始めたのは、3月からですね。コロナのことが、毎日のようにニュースで取り上げられ始めた時期です。座席数を2/3ほどの20席程度に減らして、大家さんにも家賃交渉して値下げしてもらいました。

うちの店があるのは、福岡市街から少し外れた郊外の住宅街。近所の人などリピーターのお客様が多いので、天神や博多駅周辺に比べれば、落ち込みはそれほど大きくなかったと思います。

ただ、緊急事態宣言が発令されれば、それに従う必要があるだろうな。そんな心構えで、縮小営業を続けていました。

ーー4月7日に緊急事態宣言が発令されました。

そのあと、4月14日に福岡県から休業要請が出ました。それで営業スタイルを大きく変えました。ランチ営業はやめて、夜も16〜20時までのテイクアウト販売のみ。今もそれを続けています。


福岡の住宅街にオープンし、9年目を迎えた「串Cafeたまねぎ 創作串揚げ」

ーー完全休業ではなく、テイクアウトに挑戦されたんですね。

うちは串揚げ屋ですから、お客様には当然アツアツの状態で召し上がっていただきたいわけですよ。正直、テイクアウトでは串揚げはあまり出したくなくて。

だからテイクアウト用に新しいメニューをつくるようにしたんです。パスタやハンバーグなど、とにかくいろいろ用意して。ただ、やっぱり「串揚げが食べたい」と言ってくださるお客様も多かったので、串揚げ弁当なども販売するようにしました。

ーーメニューがたくさんあるんですね?

そうなんです。例えば5月14日なら、串揚げのほかにとんかつや煮込みハンバーグ、カレー、オムライス、ローストビーフ丼、それに惣菜とサラダ。全部で25種類以上ありました。最初は5種類ほどだったんですが、がんばってバリエーションを増やしています。

どれも以前の通常メニューにはなかったものばかりです。大手ホテルの厨房で4年間働いた経験があるので、それを生かしてアレンジしています。ですから、縮小営業とはいえメニューづくりで毎日忙しいんですよ。


自慢の串揚げを入れた弁当は好評で、売り切れの日も。

ーーお客さんの反応はどうですか?

これがありがたいことに、よく買っていただいてるんです。カレーがたくさん出る日もあれば、ハンバーグが人気の日もあったりして。串揚げ弁当は売り切れてしまうことも。

馴染みのお客様が応援の意味合いで買ってくださるのはもちろん、新規のお客様も多くいるんです。「ジョギングの途中でたまたま見つけたから」とかね。新規の中には、もうすでに何度も買っていただている人もいます。

ーーそれはありがたいことですね。

お店を始めて、今年で9年目になります。たくさんのお客様に支えられていることを、この機会に改めて実感しているところです。

テイクアウトは好調で、5月は今のところ、前年と比べて9割ほどの売上が見込めそうなんです。お酒をまったく出さずに、テイクアウトのみです。ほんとにありがたいことです。


ホテルの厨房で働いていた経験を生かして、パスタやカレーなど新しいメニューを開発。

会計ソフトで欲しい情報、欲しい数字をすぐ出せる


ーーさて、ここから申請絡みのことをお聞きします。どんな制度を利用されましたか?

まず、融資を2つ。日本政策金融公庫の経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)と、セーフティネット保証制度4号です。

経営環境変化対応資金はすでに申請が通って、振込を待っているところ。セーフティネット4号も、銀行の担当者と話し合いながら近々申請する予定です。

理由は、2つとも公的機関が窓口なので安全・安心だったこと。それに、金利などの条件もいいですしね。もしダメなら民間から借りる選択肢も考えましたが、今回はすぐに借りられそうだったので。

ーー手続きはスムーズに進められたんでしょうか?

ホームページを見て、書類を用意して、申請して。とてもスムーズでしたね。うちは一緒に店を切り盛りしている妻が経理をしてるんですが、会計ソフト「freee(フリー)」を使って売上などを管理しています。

確定申告の書類も日々の売上管理も伝票データも、全部このソフトに入ってるんです。ですから、提出書類はここからさっと引っ張り出せばすぐに揃えられます。欲しい情報、欲しい数字がすぐ出せる。税理士さんに頼むお金もかからないですし、とても助かりました。

ーー給付金や補助金の申請は。

小規模事業者持続化補助金に申請中です。それと、これから申し込もうと思っているが福岡市の店舗の家賃補助です。でも、これがなかなか厄介なんですよ。

ーーどのあたりが厄介なんでしょう?

とにかく書類の用意が大変なんです。賃貸証明や休業日数の計算、銀行口座の写しなど、全部で10個くらい用意しないといけなくて。しかも、オンライン申請は途中保存ができない仕様になっているので、一度ログアウトするとまた最初からやり直さないといけない。

一度入力作業をしたんですが、あまりにも時間がかかるのでいったん断念しました。「わからない」というより、面倒なんです。時間をつくって、もう一度チャレンジするつもりです。

売上の多角化へ。デリバリーや通販も視野に


ーーまだまだ厳しい状況が続きそうですが、挽回策はありそうでしょうか?

すぐにまた元に戻るのは難しいでしょうね。戻ったとしても、時間がかかるはず。特に飲食店は、末端の恩恵を受ける業種というか。お客様の懐が潤って、外で食事しようという雰囲気にならないと盛り上がりませんから。在宅勤務はまだ続きそうですしね。

元通りにならないことを前提に、新しいニーズをつかめるようにがんばらないといけません。

ーーまさに腕の見せ所、といった感じでしょうか。

テイクアウトに加えて、今後はデリバリーも始めるつもりです。そう思ってスマホアプリ決済の「PayPay(ペイペイ)」と「Uber Eats(ウーバーイーツ)」に登録申請しました。

制度自体はコロナとは無関係ですが、QRコード決済の補助金も使おうと思っています。雨が降るとテイクアウトはなかなか売れないので、デリバリーは梅雨が始まる前には始めたいですね。

ーーすでにいろいろと動き出してるんですね。

通販も考えています。以前から自家製ドレッシングをお店で販売してるんですが、それをネットでも売れないかと。これからの飲食店はイートインだけでは難しいでしょうから、新しく売上を立てられる方法を探す、つまり多角化していく必要があるでしょう。

もちろん、揚げたてをお店でじっくり味わいたいお客様もたくさんいらっしゃいます。ですから、例えば平日はテイクアウトとデリバリーにして、週末は通常営業にするなど、ベストなバランスやかたちを模索していきたいと思います。

これから先も、この店を続けていけるかどうか。正念場ですが、生き残っていくためにがんばりますよ。

(※写真はすべて高島さん提供)

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